市場「3千億円規模」 教育ビッグデータで成績上がる?

2015年05月07日

市場「3千億円規模」 教育ビッグデータで成績上がる?

市場「3千億円規模」   教育ビッグデータで成績上がる?

 教育業界で「ビッグデータ」が注目されている。紙からデジタルへとIT化が進む教育現場で、子どもたちの膨大な学習記録を情報端末を通じて集め、残せるようになってきたからだ。「ビッグデータ」を活用すれば、学力は上がるのか。

 岡山県内のある中学校。男子生徒3人が校長室で机に向かっていた。生徒たちは、分厚い漢字ドリルの束をめくり、100問ほどの漢字の読みに答えてゆく。

 この中学は、経済的に困難な家庭の生徒が多い。学力が低いまま入学する子もいる。こうした生徒のために昨年度から始めた取り組みだ。

 約10分後。解答を終えた生徒は、用紙をスキャナーに通した。データの保管先は岡山大学にあるコンピューター。1人につき1カ月に延べ2千字分の解答の電子データが積み上がる。解析するのは岡山大大学院教育学研究科の寺澤孝文教授。「どんな生徒でも成績が上がる」と言う。

 このドリルは、独自のスケジュールが組まれており、生徒一人ひとりがどの漢字をどの程度身につけたかが正確に測定できる。このデータを解析すると、例えば「漢字1千字を習得するのにかかる時間」が予測でき、一人ひとりの学習進度に応じて問題を作ることもできる。

 「データはただ集めただけでは、何もわからない。集め方を工夫することで正確な解析ができる」と教授は話す。今は紙のドリルでの試行段階だが、タブレット端末を使えばより大量のデータを集めて解析することも可能だ。

 国も「教育ビッグデータ」に注目する。

 総務省が昨年度から3年計画で始めた「先導的教育システム実証事業」。今年度までに計約10億円の予算をかけ整備を進める全国の学校向けのクラウドサーバーには、デジタル教材を通じて集まる子どもの学習記録を保管する機能も備わる。各地の学校と協力して効果を検証する計画だ。

 教材へのアクセス回数や、ページごとの閲覧時間、問題を解くのにかかった時間……。総務省情報通信利用促進課の岸本哲哉課長は「データによってそれぞれの強みと弱みが分析でき、その子に合った対応が取りやすくなる」と話す。

 子どものデータを誰がどう管理して、何に使うのか。データを使うと成績は上がるのか。教育現場で新たな論点が浮上している。

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教育ビッグデータで成績上がる? 市場「3千億円規模」
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参考
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rikezyo00sumaho at 07:20|PermalinkComments(0)