振り返る2014年のモバイル業界--“成熟市場”から次のステップへ

2014年12月31日

振り返る2014年のモバイル業界--“スマホ成熟市場”から次のステップへ

振り返る2014年のモバイル業界--“スマホ成熟市場”から次のステップへ

スマートデバイスの普及が進み、あらゆるビジネスの主戦場となりつつあるモバイル領域。2014年もさまざまなニュースが世間を賑わせましたが、モバイル業界に精通するジャーナリストの皆さんはどのような点に注目したのでしょうか。今回は木暮祐一さんに、今年注目したモバイルニュースや、スマートデバイス、アプリなどを聞きました。

──2014年のモバイルニュースを3つ選ぶとしたら何ですか。

 料金プランの考え方の見直し(通話はかけ放題、一方でパケットは従量課金)など、重要な業界のターニングポイントとなった話題もありますが、他の識者も話題にされると思われますので、私的なトピックスを挙げてみますと……。

1.国内線での航空機内Wi-Fiの本格スタート
 JAL、国内線初の機内ネットサービスを7月に開始--30分400円、1フライト500円~
JAL、国内線初の機内ネットサービスを7月に開始--30分400円、1フライト500円~
 私は2013年春から青森に拠点を移した関係で、航空機を使った移動が非常に増えました。そうした中で、大変重宝しているサービスです(青森発着便はまだ未対応ですが)。

 じつは航空機上で携帯電話やインターネットの利用を可能にしようという試みは2000年代初旬から検討されてきました。2004年には米国ボーイングの系列企業が「Connexion by Boeing」の名称で通信衛星を利用した機内インターネット接続サービスを開始し、JALをはじめ世界の主要航空会社がこれを採用するなどしていました。しかし、まだこの時代はノートPCの活用が中心で、一部のビジネスマンを中心にニーズはあったが利用は伸びず2006年にはサービスが休止されています。

 その後、米国では衛星通信を使わず、地上アンテナと航空機側下部に付けたアンテナとで通信を行うシステムを考案するなど、試行錯誤がありましたが、再び衛星通信を使うものが提供されるようになり、国際線を中心に世界の主要航空会社が2012年頃から順次導入を始めていました。そしてついに2014年7月から、JALが国内線にも導入を開始したのです。これって、やはりWi-Fiを必要としているユーザー側のニーズが少なくとも10年前に比べ大きく変化して来た結果ではないかと思うのです。かつては一部のビジネスマンがノートPCでWi-Fiを利用するというものでしたが、その後携帯電話からスマートフォンへシフトし、タブレットなど手軽にインターネットを利用する端末が一般のユーザーに広く普及したため、機内でWi-Fiを使いたいというニーズが改めて注目されるようになったのでしょう。

 こうした動きと同時に、2014年9月1日からは国土交通省の航空機における電子機器の利用についての告示も緩和され、電波を発しない機器であれば離着陸時を含め常に利用が可能となりました。以前と大きな違いがないようにも感じますが、機内モードにしてあれば、滑走路への移動中や離着陸時にもスマホで機外の風景を撮影できるようになったのです。わずかなことですが、これだけでも旅が一段と楽しくなりました。

2.eSIMの登場
 新型「iPad」、1枚でキャリア乗り換え可能な「Apple SIM」に対応--米英で利用可能に
新型「iPad」、1枚でキャリア乗り換え可能な「Apple SIM」に対応--米英で利用可能に
 2014年10月に発表された「iPad Air 2」と「iPad mini 3」の米国向けセルラーモデルに、おそらくeSIMと思われる新しい仕様のSIMカードが導入されたようです。これは2013年末に、国際的モバイル業界団体であるGSMAが「eSIM(Embedded SIMともいう)」として仕様を公開したものなのですが、通信を通じた遠隔操作によって契約事業者情報を書き換えることができるSIMカードで、日本でもNTTドコモが2014年6月に法人向けM2M機器用としてeSIMの提供を開始しています。eSIMはあらかじめ端末製造時に最初から装着しておき、通信を必要とする際に遠隔でアクティベーションしたり、また海外で利用する際は現地のeSIM対応通信キャリアの電話番号を遠隔で書き込んだりできるというものなのですが、もはやSIMカードを採用する意味が薄らいで来たようなニュースでした。なぜeSIMが注目されるのかというと、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)が今後普及していくに当たり、遠隔でアクティベーションさせるといった処理が可能になると、普及に一段と拍車が掛けられるということなのです。

 ドコモ、M2M機器用「eSIM」を提供へ--海外の通信事業者でも使用可能
ドコモ、M2M機器用「eSIM」を提供へ--海外の通信事業者でも使用可能
 現在、わが国でeSIMに対応しているのはNTTドコモのみのようですが、今後はさまざまな「通信する電子機器」が登場してくる中で、ユーザーが必要な時に、好みの通信キャリアを選択して、データ通信を利用するというシチュエーションが増えて行くのでしょう。SIMロック解除議論も注目されましたが、SIMロック自体のやり方も、従来の端末側へのソフトウェアロックから、通信キャリア側ネットワークでIMEI(端末個体識別番号)の判別による接続許諾というようなやり方が一部に採用されるなど、SIMロックそのものが見直されつつありますし、eSIMの考え方に至ってはSIMカード自体の存在意義もゆらぐような事態です。

3.端末の並行輸入と法規制
 日本で合法的にモバイル機器を使うには、日本の電波法で定められる基準を満たしていることを認定された端末でなくてはなりません(いわゆる技適問題)。携帯電話の時代は、通信方式が国内の通信方式と合致していれば、国際ローミングという形で海外からの渡航客が日本で持ち込み端末を利用することが許されていました。ところがWi-FiやBluetoothに関しても技適は必要で、海外からの渡航客がスマホやタブレットを使う場合に電波法に抵触する危険性がありました。

 さらにMVNOによる格安SIMの登場で、世界の安価なSIMフリースマートフォン端末を並行輸入し、これを日本で使うということも事実上可能になりましたが、この電波法をクリアすることはできず、違法端末扱いになってしまいます。

 そうした中で、2020年には東京オリンピックが開催されることも決定し、今後一段と海外からの渡航客も増えるでしょうし、格安SIMの台頭とともに並行輸入スマホも増えそうな勢いです。このため、総務省では電波法の見直しにも着手し始めています。しかし、海外からの来日観光客向けに観光地を抱える自治体がすでにフリーWi-Fiを整備するなど、法改正よりも先行して、日本で未認定の端末が利用されるシチュエーションが目に余るようになってきました。

 たとえば私は評価用に米国で販売された眼鏡型ウェアラブル端末「Google Glass」を入手しましたが、これも技適問題で合法的には国内で電源を入れることができません。そのため、レビューするためにわざわざ韓国へ渡航して端末を検証するなどしてきました。韓国も端末の認定は厳しい国ですが、「個人が私的利用する目的で国内に持ち込むものに関しては同形端末1台に限って免除する」という消費者にとっては嬉しい除外規定がありました。果たして、日本の電波法は今後どのように改善されて行くことになるのでしょうか。2020年というリミットがありますので、その動向に要注目ですね。

──今年購入した端末で一番のお気に入りは。

 サムスン「Gear S」を写真で見る--曲面ディスプレイ搭載、3G対応の新スマートウォッチ
サムスン「Gear S」を写真で見る--曲面ディスプレイ搭載、3G対応の新スマートウォッチ
 サムスン電子の「Gear S」でしょうか。腕時計型ウェアラブル端末の一種といえますが、じつはこれ単体にマイクロSIMを挿入でき、音声通話ができてしまいます。スマホ(Galaxyシリーズに限定されてしまうのが惜しい)とBluetoothで連携させ、スマホへの通話やメッセージの着信通知とか、活動量センサとしてのウェアラブル的活用はもちろんのことですが、Gear Sには3G音声通話用に契約したSIM(つまりドコモのケータイ用カケホーダイプラン、月額2200円)を挿入し、発信用音声通話端末として手放せなくなっています。

 というか、「カケホーダイ」という音声通話無制限の料金プランを各社が出したからこそ、音声通話用端末をもっと充実させて欲しいところですが、相変わらずガラケーに対しては各通信キャリアが力を入れているように見えません。そうした中で、このGear Sはキワモノ的ガラケーとして、大変気に入っています。

──今年よく使ったサービスやアプリは。逆に使わなくなったものがあれば教えて下さい。

 次期iPhoneとiOS 8で変わるヘルスケア--松村太郎のAppleニュース一気読み
次期iPhoneとiOS 8で変わるヘルスケア--松村太郎のAppleニュース一気読み
 iPhone 6(およびiOS 8)の発売と同時に、「ヘルスケア」アプリ(HealthKit)が導入され、個人の健康管理をiPhoneに集約させるという使い方が注目されました。ヘルスケア系アプリは以前から色々と使って来ましたが、しばらく使わずに遠ざかっていたアプリも含め、この「ヘルスケア」アプリの登場で改めて使うようになった健康関連アプリが多数あります。改めてそうしたアプリの最新版をダウンロードしてみて、それぞれとても機能拡張され便利なものになっていることに驚かされました。スマホ向けに提供されているアプリって、着々とバージョンアップを重ねていたんだなという驚きを感じつつ、ヘルスケア系アプリの面白さを改めて感じるようになりました。

 たとえば、睡眠時の眠りの深さをモニタリングしながらすっきり目覚められるタイミングに目覚ましアラームを鳴らしてくれる「Sleep Cycle」も5年ぶりに利用を再開しましたが、完全日本語対応していましたし、アラームや睡眠データの蓄積等、機能がこれほど充実していたのかと驚きました。深酒し過ぎると深い眠りにつけず、それが翌朝がつらい要因であることが分かったり(笑)

 一方、使わなくなったものは、モバイルWi-Fiルータでしょうか。持ち歩く機器を減らしたいとか通信料を抑えたいために回線数を減らしたいといった目的もありましたが、スマホのテザリングで十分に快適に利用できるため、複数のスマホの日々のデータ通信量を見ながら、外出先でPCを活用するときはテザリングで済ますようになりました。

──2014年はモバイル業界にとってどのような1年だったと考えていますか。

 2014年は、スマートフォンの普及が一段落し、“スマホ成熟市場”となった年ではないでしょうか。まだ普及率は50%超え程度と言われていますが、日本のガラケー自体が世界でいうスマートフォンの要件を満たす存在だったとも言えますし、そういう点では通話中心にモバイルを使う人たち(ガラケー派)と、大型ディスプレイでさまざまなコンテンツを中心にコミュニケーションを楽しむ人たち(スマホ派)それぞれに、求められる端末が行き渡ったと思います。スマホのモデルチェンジも、もはや多機能化よりもスペックアップ(最新のネットワークへの対応や、処理能力の向上)に重きが置かれるようになりました。

 そんな中で、他キャリアから顧客を呼び込んで、契約数を少しでも稼いで行きたい各通信キャリアの目論みや、過酷な条件のもとでケータイやスマホ端末を販売して行かなければ生き残れない販売店が、あの手のこの手でMNP重視の販売を展開し、キャッシュバック問題がクローズアップされた年ともいえました。やり過ぎと思えたキャッシュバック販売は、2014年春には一旦落ち着きを取り戻したように見えましたが、その後また再沸しています。こうした中で、総務省の有識者会議のひとつ「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG」でクーリングオフの導入やSIMロック解除の導入などを通信キャリアに求めることになりましたが、果たしてその成果がどのように出てくるかは2015年に注目しておきたい重要事項のひとつです。

──2015年は「コレがくる」という端末やサービス、トレンドなどがあれば教えて下さい。

 スマホ市場や端末開発が成熟化し、一段落したと前述しましたが、同時に期待しているのがスマホ向けアクセサリ市場の充実でしょう。日本のメーカーは案外慎重ですが、スマホが世界中に普及するようになり、日本にはなかったようなアクセサリを海外のユーザーが使っているところを見かけることも増えて来ました。その中で注目しているのが「セルカ棒(自撮棒)」。日本では電波法の規制でBluetoothでシャッターを切れるセルカ棒は法的には利用できませんが、世界では大ブームです。中国製のすぐに壊れそうなものではなく、ぜひ日本のメーカーならではな高品質セルカ棒を発売してもらいたいものですね(笑)

/////
石川温が振り返る2014年のモバイル業界--「料金競争」に尽きた1年

スマートデバイスの普及が進み、あらゆるビジネスの主戦場となりつつあるモバイル領域。2014年もさまざまなニュースが世間を賑わせましたが、モバイル業界に精通するジャーナリストの皆さんはどのような点に注目したのでしょうか。今回は石川温さんに、今年注目したモバイルニュースや、スマートデバイス、アプリなどを聞きました。

──2014年のモバイルニュースを3つ選ぶとしたら何ですか。

 本体と通信セットで月額2980円の「イオンの スマートフォン」
本体と通信セットで月額2980円の「イオンの スマートフォン」
 やはり「イオンスマホ」は外せないのではないでしょうか。いまの格安スマホブームも、イオンスマホが「8000台売れた」というニュースから始まっています。この大ヒットから、MVNOが続々と参入していますが、イオンがヒットした背景にあるのは「リアル店舗で端末とSIMカードをセットにして売った」という事実があります。単にネット販売だけでSIMカードと端末をセットにしても、格安スマホが狙う初心者層には届かないわけで、MVNOはもうちょっとリアル店舗の開拓に注力した方がいいと思います。

 2つめは「音声定額導入」。VoLTEの導入で、音声通話料金にメスが入るというのは昨年から見えていましたが、まさかNTTドコモが率先して、しかも不可能だと思われた携帯・固定電話の完全定額を始めてくるとは、正直、驚きました。同時に開始したパケット料金の改定で、NTTドコモの経営は厳しくなってしまいましたが、加藤社長の攻めの英断は素晴らしかったと思います。

 孫社長、T-Mobile買収断念の報道に「公式コメントはなし」
孫社長、T-Mobile買収断念の報道に「公式コメントはなし」
 最後は「ソフトバンクのアメリカ進出失敗」を挙げておきます。T-Mobile USの買収が失敗したことで、日米とのシナジー効果も期待できず、ソフトバンクにとって、スプリントはすっかりお荷物となってしまいました。シリコンバレーの開発拠点にいった人材も、2月には帰国するようです。アメリカの競争は激しいこともあり、孫社長としては「スプリントを売りたい」と本音では思っているのではないでしょうか。確か、円が1ドル78円台のころに買収していますから、ここで売れれば、相当な為替による利益が期待できるわけです。孫社長の投資としては、いま売れれば充分すぎるほどの儲けが期待できます。ま、買ってくれる人がいるかは別の話ですが。

──今年購入した端末で一番のお気に入りは。

 アメリカで購入したシャープ「AQUOS CRYSTAL」(ブーストモバイル版)です。フレームレスという先進的な端末が、150ドルで買えてしまうことに驚きです。しかも、スピーカーがついていないんですよ。ニューヨークの街角でAQUOS CRYSTALを使っていると「それ、クールだな」と外国人に声をかけられるし(女性だったら、もっと最高だったんですが)。デザイン的に差別化が難しいとされるスマホでも、まだまだ個性を出せるんだとAQUOS CRYSTALを見て思いました。

──今年よく使ったサービスやアプリは。逆に使わなくなったものがあれば教えて下さい。

 出揃った携帯3社の“通話し放題”プラン--各社の真の狙い
出揃った携帯3社の“通話し放題”プラン--各社の真の狙い
 各キャリアの「料金確認サイト」。新料金プランが導入されて以降、「あと何Gバイト、残っているかな?」というのを確認する機会が増えました。KDDIは12月になって、デジラの残量確認アプリを出してくれたので、結構、気に入って使っています。逆に使わなくなったのは、雑誌が読み放題の「ビューン」。読める雑誌が大量にある「dマガジン」が出てきたことで、乗り換えてしまいました。

──2014年はモバイル業界にとってどのような1年だったと考えていますか。

 「料金競争」に尽きた1年だったように思います。キャリアによる音声定額サービスの導入、MVNOによる格安スマホ戦争。スマホが一般的になってきて、誰もが「料金が高い」と不満を抱いている中で、料金値下げに対するニーズが高まっているのは間違いありません。一方で「キャッシュバック戦争」が終わったのも印象的です。今後は、SIMロック解除などもあり、端末の売り方がまた変わっていくのではないでしょうか。

──2015年は「コレがくる」という端末やサービス、トレンドなどがあれば教えて下さい。

 「格安スマホ」で過熱するMVNO市場--SIMロック解除義務化の影響は
「格安スマホ」で過熱するMVNO市場--SIMロック解除義務化の影響は
 ズバリ「格安スマホ難民」に注目しています。2015年は今年の格安スマホブームを受け、さらにSIMロック解除義務化などを踏まえ、MVNOがさらに盛り上がり、低料金を求めて、格安スマホに流れるユーザーが増えると思います。しかし、安さを求めてみたものの、故障やネットにつなげられないという状態に陥り、困ってしまうユーザーも多くなるのではないでしょうか。そういった「格安スマホ難民」が増えるのは間違いないと見ています。格安スマホ市場は、料金競争から間違いなく「サポート体制」の勝負になるでしょうし、そういった初心者層をしっかりと受け入れられないMVNOは今後、厳しくなるのではないでしょうか。

 もうひとつ、注目しておきたいのが「ネオガラケー」です。ガラケーはいまだに根強い人気がありますが、チップセットやディスプレイ、ヒンジなど、部材を作るメーカーが相次いで倒産したり、部材がなくなっていたりと、ガラケーを作り続けるのが難しい状態になっています。そこで、Androidなどをベースとした、中身はスマホなんだけど、見た目はガラケーといった機種が出てきそうです。かつて、シャープがテンキー付きのAndroidを手がけてきましたが、ああいったものが復活するのではないでしょうか。「スマホのタッチパネルは苦手。ガラケーを使い続けたい」というユーザー層を取り込むため、中身はスマホ、外見はガラケーという「ネオガラケー」が出てきそうな気がしています。
/////
 プログラミングコンテストやハッカソンが花盛り

2014年は、プログラミングが関わるコンテストやハッカソンが多数開催され、いずれも盛況だったようです。2015年もたくさんのイベントが開催されるでしょう。

 プログラミングという分野に限りませんが、コンテストへの参加は、自分のスキルや作品を披露する格好の機会となります。スキルアップや作品づくりに対するモチベーションを高めるのに効果的です。仮に入選すれば、大きな喜びにつながるだけでなく、社会的な評価も得られます。

 一方、コンテストを開催する側にとっても、特定の技術やアイデアを公募することで、優れた人材を発掘したり、新商品や新サービスのヒントを得たりすることができます。またコンテスト自体が話題になれば、その技術やテーマに関する市場での認知度向上や市場拡大を期待できるでしょう。

 興味深いのは、単にプログラミングの技術を競うのでなく、ビジネスモデルとでもいうべき、プログラムの活用アイデアを競い合うケースが増えている点です。しかも、IT系の企業やコミュニティだけでなく、一般企業や官公庁、自治体などがコンテストを開催するケースが目立ってきています。

 例えば総務省とオープンデータ流通推進コンソーシアムは昨年、「オープンデータ・アプリコンテスト」を実施しました。7つの実証実験が提供するオープンデータ(自治体行政情報、観光情報、防災情報、公共交通情報など)の活用をテーマにしたアプリ開発コンテストです。金沢市や岡山市、横浜市のように、地域の魅力をアピールしたり、市民や観光客が便利に使えるアプリの開発コンテストを実施する自治体も増えています。

 また東京メトロは、地下鉄の列車の位置や遅延時間などをオープンデータとして公開し、このデータを利用したアプリのコンテストを開催しました。列車などの情報をオープンデータとして公開した場合にどのような活用が可能かを探るのが狙いでしょう(関連記事:東京メトロ「オープンデータコンテスト」、281件の応募)
///// 
 


rikezyo00sumaho at 23:55|PermalinkComments(0)