ソフトバンクがプリペイドで「iPhone」を発売した?

2015年12月18日

料金値下げ問題への回答!? ソフトバンクがプリペイドで「iPhone」を発売した意図とは

料金値下げ問題への回答!? ソフトバンクがプリペイドで「iPhone」を発売した意図とは

Xperia Z5 Premium と iPhone 6s Plusの比較分析

Xperia Z5 とiPhone 6s 比較分析

ソフトバンクは17日、プリペイドサービス「シンプルスタイル」のラインナップに「iPhone 5」を追加し、オンラインショップでの販売を開始した。端末は「整備済製品」とされ、販売価格は29,800円(税別)で、かつ10,000円のチャージが含まれている。なお、販売は新規契約とMNPでのみ。iPhoneがプリペイドで発売されたということで、主要ニュースサイトがこの話題を一斉に報道するなど、大きな注目を集めている。

■“整備済製品”ってなに?

 今回、ソフトバンクオンラインショップにラインナップされた「シンプルスタイル iPhone 5」は16GBのみで、カラーは「ホワイト&シルバー」と「ブラック&スレート」の2色となっている。ソフトバンクでは今回発売するiPhone 5は「整備済製品」としている。

 iPhoneを破損させた場合などで、補償サービスなどを適用し、同型モデルの代替品に交換してもらったことのあるユーザーも少なくないと思う。じつは、一般的には、こうした交換用に用意されている端末が「整備済製品」である。外装はもちろん新品で、液晶保護フィルムも貼られた状態であるが、初期不良などで回収された端末が修理整備され、交換用に配備されていると聞く。

 今回、ソフトバンクが販売する「整備済製品」とはどういったものなのか、ソフトバンク広報部にたずねたところ、「これまで顧客に販売されずに残っていた新品在庫や、一度開封したなどの製品を、再度商品化したもの」と説明してくれた。

 オンラインショップWebページの説明によれば「Appleの厳しい品質水準を満たすため、厳格なプロセスで再整備を受けた製品」としているが、実際には新品と同等の扱いをしており、まず「1年間の特別保証」が付く。また、購入日から30日以内であれば、Apple Store直営店などで「AppleCare+ for iPhone」への加入が可能となっている。ただし、シンプルスタイル契約のため、あんしん保証パック(i)プラスには加入できない。

■しかし、なぜこのタイミングで?

 この「シンプルスタイル iPhone 5」は冒頭でも説明したとおり、とても分かりやすいシンプルな料金プランだ。端末価格29,800円(税別)の中に、すでに10,000円分のチャージが含まれている。基本使用料自体は「無料」で維持が可能。音声通話発信をする場合は、全国一律8.58円/6秒の通話料が減算されていく。また、パケット通信を利用する場合は、2日(200MB、900円)、7日(700MB、2,700円)、30日(3GB、4,980円)を選べ、これがチャージから減算される。

 たとえば、使いたいときだけ2日プランを選択して利用するといった使い方はもちろん、毎日継続的に使いたい場合は30日プランを利用すればよい。リチャージは、ソフトバンクショップなどで販売しているソフトバンクプリペイドカード(3,000円、5,000円)を購入し、専用ダイヤルから行う。

 また、MNPで他社からの乗り換えでシンプルスタイル(スマートフォン)に加入する場合、パケット定額サービスの30日プラン(4,980円)が12回目まで3,980円となる「MNP割」と、パケット定額サービスの30日プラン(4,980円)を12回購入すると、13回目以降の料金が3,980円となる「長期割」も用意されている。

 なお、シンプルスタイルを契約から1年以内に解約(MNPによる解約を含む)した場合、契約解除料19,800円が必要となる。また、シンプルスタイルに新規で加入の場合、契約後、翌々月末までのMNP転出については5,000円、当該期間以降のMNP転出については3,000円のMNP転出手数料が必要となる。

 既存のポストペイド契約の料金プランに比べれば極めてシンプルで分かりやすい。とくにサブ端末として、必要なときだけ使いたいというニーズに合致したプランといえる。なお、シンプルスタイルで契約したSIMをほかのスマートフォンに挿入して使うことはできないということであった。またテザリングも非対応となる。

ところで、どうしてこのようなタイミングでソフトバンクはiPhone5のプリペイド販売を始めたのであろうか。

 これはあくまで筆者の憶測であるが、じつは「シンプルスタイル iPhone 5」の発売開始前日の16日は、総務省がこれまで5回にわたって開催してきた有識者会議「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の最終回が開催され、そのとりまとめ案が公表されたタイミングだ。これは9月に安倍晋三首相が携帯電話料金の見直しを求める発言を行ったことをきっかけに始まったタスクフォースである。

 最終とりまとめ案では、「ライトユーザー向けの低廉な料金プランの検討」や、「高額なキャッシュバックなど行き過ぎた販売の是正」、「MVNOサービスの多様化と競争促進、そしてそのための中古中古端末市場の発展」などが結論に盛り込まれた。また、そもそも有識者会議の第1回会合で真っ先に話題になっていたのが、現状のスマートフォン販売やそれに伴う料金プランが複雑で分かりにくいという指摘だった。

 こうした総務省での議論に一定の方向性が打ち出されたタイミングに合わせ、いち早くソフトバンクがぶつけてきた一つの回答が、この「シンプルスタイル iPhone 5」ではないだろうか。

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参考
総務省、8日以内なら合意なしにスマホ解約できる「クーリングオフ」を16年5月より開始
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rikezyo00sumaho at 06:00|PermalinkComments(0)